適応障害とは、日常生活でのストレスが原因で起こる状態をいいます。
ストレスの原因は、失恋、転職、離婚などさまざまです。たとえば、家事と仕事の両立や、初めての育児に悩むなど、女性ならではのストレスも多いですよね。
環境の変化やできごとにうまく対処できず、心やからだに症状が現れて、社会生活に支障をきたす状態が適応障害です。ストレスの強さや性質は、診断基準では特定されていません。
ある人が大きなストレスを感じることでも、他の人にはそうでもなかったりと、感じ方や捉え方も違うからです。
わたしはにぎやかな公園がとってもストレスだったの…
適応障害の主な症状は次の通りです。
心の症状
- 不安が強い
- 気力がない
- 集中力がない
- イライラする
- 神経が過敏になっている
からだの症状
- だるい
- 眠れない
- 食欲がない
- 動悸がする
- 頭が痛い
だるさや頭痛など、よくある症状かもしれません。ですが適応障害の場合、憂うつな気分が強かったり過度に不安になったりと、明らかに正常範囲を超えている状態になります。
うつ病と適応障害の違いがよくわからない、という方もいるでしょう。うつ病の場合、ストレスから離れてもすぐには良くならず、何をしても楽しめません。
食欲がなくなる、ものごとに関心が持てない、眠れないなどの状態が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性があるでしょう。
適応障害の場合は、ストレスから離れるとすぐに良くなり、うつ状態の時でも楽しいことがあると楽しめるのが大きな違いと言えます。
それでは、適応障害には、どのような治療があるのでしょうか?
ひとつ目は、環境の調整です。たとえば、上司のモラハラがストレスの原因だった場合、別の会社に転職するなどが考えられますね。ですが、現実的に難しいことも多いでしょう。
わたしは静かな森引っ越したらラクになったわ
ふたつ目は、自分をラクにする考え方を身につけることです。ストレス耐性は人それぞれですが、うつ状態になると自分をつらくする考え方をしてしまう傾向があるからです。
自分の考えが、抑うつ気分や不安などをさらに強くし、不眠などの症状を長続きさせてしまう原因にもなります。
自分を追い詰めてしまう思考を見直して、もっとラクになれる考え方や対処方法を身につけていくのが、認知行動療法という心理療法です。
ボクはいつものん気だから大丈夫かな
当院では、患者さんに考え方や生活行動へのアドバイスを行っています。ストレスの原因が改善しなければ、症状が悪化してうつ病になるケースもあります。
環境調整やカウンセリングで症状が改善する場合も多いため、早目に受診したり、信頼できる人に支援を求めたりすることが大切です。