「出産後から気分が落ち込んでいる」「産後1ヵ月ぐらいから何をしても楽しくない」このような気分で悩んでいるあなたは、もしかして産後うつかもしれません。
もともと女性は男性の2倍うつ病にかかりやすく、産後うつは多くのお母さんを悩ませています。1人で抱え込んでしまうと、お母さん自身がつらいだけでなく、子どもの発達に影響が出てしまうこともあります。
症状が似ているマタニティーブルーとの違いや、産後うつの症状・原因などについてわかりやすく解説しますね。
マタニティーブルーは、産後数日から2週間ぐらいの間に起きる情緒不安定な状態のこと。涙が止まらなかったり、落ち込んだり、イライラしたりなどの症状が現れます。マタニティーブルーの原因は、急激な女性ホルモンの変化と考えられています。
女性ホルモンの変化で落ち込んだりするのね
人によっては眠れなかったり、集中力が落ちたりしますが、自然に回復するのでさほど心配はありません。ただし、長引くと産後うつに移行することもあるので、気をつけましょう。
産後うつは、出産後1ヵ月以降に発症します。マタニティブルーとの違いは、症状が2週間以上続き、治療が必要な点です。
産後しばらくしてから発症するので、お母さん自身も不調に気づかず、症状が悪化してしまうことも少なくありません。食事や睡眠も十分とれない状態が続く場合もあります。
「将来的に子育てしていく自信がない」「赤ちゃんの世話が面倒に思える」「こんな自分は母親失格」などと感じ悲観的になり、悪い方にばかりものごとを捉えている場合、産後うつの危険性があります。
産後うつの原因は、うつ病の既往、家族のサポート不足、望まない妊娠による葛藤、経済的な問題などさまざまです。大きな不安や深い孤立感によるストレスが、背景にあると考えられます。
また「子育てはわたしが頑張らなければ」と考えるまじめで責任感が強い人や、完璧主義の人などは、産後うつになりやすいと言えるでしょう。
まじめな人も産後うつになりやすいんだ…
たとえば、初めての育児で頑張っても思うようにならないため「わたしは何をやってもダメ…」と自信をなくし「できないのはわたしのせい」と自分で自分を追い詰めてしまう思考になりやすいからです。
妊娠・出産により女性ホルモンが大きく変化し、脳のストレス耐性も弱くなっているので、さらにものごとを悪い方に考える傾向が強くなります。
産後はストレスにも弱くなってるのね
産後うつを防ぐには、お母さん自身の育児に対する受け止め方や、周りのサポートが重要です。子育ては完璧にできなくてもいいと思えることや、周囲の人が「育児は母親がやるもの」という価値観を押しつけず、一緒に協力していこうとする姿勢がとても大切です。
みんなで子育て!が大事
もし産後うつの症状に気づいたら、1人で悩まず周りの人に助けを求めてください。産後うつは心の病気なので、かかりつけの産婦人科や心療内科・精神科に相談すると良いでしょう。